低体温症という言葉、どこかで聞いたことはないですか?最近では、お正月恒例の箱根駅伝の青山学院の山登り選手がかかりましたね。どの年代のひとにもかかる可能性があり、重度になるととても危険な状態となります。特に、高齢者の方は、自覚しにくいために、低体温症にかかりやすいのです。
低体温とは
低体温とは、身体の内部の温度である「深部体温」(周囲の環境の温度に影響をうけにくい)にかかわる体温のことです。通常の体温計の温度では、低体温を気ずくのは、むずかしいのです。
病院で、深部体温を測るときは、直腸(肛門より温度計を挿入)の温度を測ることが多く、直腸温度が、35度以下になったとき「低体温」と診断されます。
低体温症とは
体の深部体温35度以下なり、全身に障害が起きる症状です。人間の体温は、通常で36~37度。35度を下回ると筋肉がこわばるようになり、刺激等の反応が鈍るようになるのが低体温症です。
低体温症は高齢者がかかりやすい!自覚しにくい
低体温症と聞くと、登山などで遭難するなど、特殊な環境でのイメージですが、実は、家の中
での「屋内」がとても多いのです。2015年におこなった日本救急医学会が行った調査では、全
国の医療機関91施設に低体温症で、搬送された705人のうち、屋内での発症は、517人で7割
り以上を占めました。
高齢者の方は、体感が、にぶくなってきており、体温が高いとか、低くなってきているとか、
気が付きにくくなっているため、特にかかりやすくなっています。
低体温症の高齢者の凍死者増加傾向熱中症より多い!
また、低体温症による凍死者は、年々増加傾向にあります。重症化するまで気ずかれない、社
会から孤立した高齢者の増加によるものとみられており、さらに、貧困層の増加、高齢者の増
加などが背景としてあります。
厚生労働省「人口動態調査」(2016年度)によると、40~64歳の中高年男性の場合、低体温症
で凍死したひとは157人に対し、熱中症でなくなったひとは78人と低体温症の凍死者のほうが
倍以上もおおいのです。
高齢者の低体温症の原因は運動不足
運動量が減ると、体温を上げる機会がも減り、低体温症になる可能性が高くなります。低体温
症になると、本人が気が付かない中、ホルモンのバランスがくずれ、臓器不全になり、便秘に
もなりやすくなります。また、免疫力も低下するので、かぜなども引きやすくなります。
高齢者の低体温にならないための予防
高齢者の低体温症の予防は、本人事体が、自覚しにくい症状なので、周囲の人の細かな気遣いが
必要で、室温は、19度以上を保つようにすることが大切です。温度調節は、本人に任せず、周
囲の人が管理します。
深部体温を下げないために、厚手のソックスをはいたり(滑りにくい材質のもの)、重ね着、こ
たつ、アンダーウェア等でしっかり防寒対策をたいせつです。
高齢者がかかると重度、回復困難!
また、高齢者の方は、もともと代謝機能が低下してきており、重度の低体温症にかかってしま
うと、正常に回復するのが困難になってしまいますので、できるだけ早く、応急処置をするこ
必要となります。
低体温症(深部体温)の症状
・36度 寒気がする
・35度 手の細かい動きが出来ない。皮膚がマヒした感覚。震えがはじまる。
・34度 歩行が遅く、よろめくようになる。会話に意味不明の言葉がまじる。
ここまでに、回復処置をとらないと、山では、死に至る場合がある。
・32~34度 真っ直ぐに歩けず、転ぶ。意識が薄れる。
・30~32度 立ち上がれない。意識を失う。筋肉が硬くなる。
・28~30度 脈が弱くなり、瞳孔が大きくなる。呼吸数が半減。
・26~28度 昏睡状態。心臓が停止することが多い。
低体温症の応急処置方法
できるだけ早めの処置が、とても重要です。
1. 衣服が濡れているか、湿っている場合、乾いた服に着替えます。
2. 体を温める為、太い血管があるわきの下・股下などに湯たんぽなどの暖かいものをあ てて、毛布で体を包みます。
上記「低体温症の症状」で、体温28~32度の範囲は、体に触れただけで、不整脈を起こす可能
性があり、対処は、困難になります。
この状況になった場合、最重要なの、体は動かさない、加湿しないで、救急医療に任せます。
ということで、低体温症で重度となると、素人では、どうしようもなくなるので、症状が軽い
うちに早急に対処することが肝心です。
低体温症の症状を知りましょう!高齢者の場合、思わぬ結果に驚き?のまとめ
低体温症という病気を、調べてみましたが、素人が、簡単に対処できるものではないことが分かりました。かかってしまっては、遅いですね。特に高齢者のかたなどは、かかりやすく、自覚症状もないということなので、ぜひ、周囲の人たちで、早めの予防を心がけてあげましょう。
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